ワールド・トレード・センター

ユナイテッド93」と並ぶ悲劇の9.11シリーズ(別にシリーズじゃないけど)第二弾。
ちなみに、911っていうとポルシェみたいだよね!


・・・で、いきなり結論だけども、いち映画として観ると全然面白くなかった。
被災者を助けるため、ワールド・トレード・センターに突入したニューヨーク港湾警察官の話なんだけど、
突入して誰か助ける前にいきなり爆発で地中に落とされて、後は救助を待つのを見てるだけ。
勇気を持って被災ビルに突入し、絶体絶命になりながらも希望を捨てずに耐え抜き生還したという内容は、
それが事実だからこそ意味があり賞賛されるものであるだけで、
少なくとも純粋に映画として見た場合、見てて面白い(面白いっていうと語弊があるけど)もんじゃない。
ついでに、以下の点が個人的に気になって仕方がない。

  • 大袈裟に突入し、大袈裟に助け出された割に、結局彼らは誰も助けてない。結果的にだけど、入った意味なくね?
  • あまりに描き方が局所的過ぎて、あの事件の大きさが伝わってこない。


上の点は事実だから仕方ないんだけど、下は監督のさじ加減だと思うんだけど。
警察官たちがビルに入る途中に被災者たちを見るんだけど、人数が少なすぎてあまり大事に見えないんだよね。
事実ありきの再現映画だから、誇張気味にしたくないのは分かるんだけど、
血みどろの人とか怪我人の群れとか、ビルの中からも小爆発みたいのをもっとを出して、
「こんなところ恐ろしくて入れるわけねーだろ!ファック!ファック!」
「今更行っても無駄だよ!俺たちが死んじまう!」
みたいな、「とてもこんなとこ入れねーよ」的な雰囲気をもっともっと出して欲しかった。
それで事件の悲惨さももっと出せるのに。


ただまぁね、実際にテロ受けたアメリカ人と、茶の間で見てた日本人の感じ方は絶対違うし、
別に見て面白い(面白いっていうと語弊があるけど)物語である必要もないんだろうね。
「あの事件で命を懸けて生還した人がいる」という事実と、それを後世に残すこと。


ちなみに、モデルになったジョン・マクローリンとウィル・ヒメノがプログラムに載ってるけど、
ニコラス・ケイジと、マイケル・ペーニャとそれなりには似てます。
実際のジョン・マクローリンはもうちょっとバティニョールおじさん顔だし、ウィル・ヒメノは丸いけど。
ちなみに、ウィル・ヒメノ自身もちょい役で出演していた模様。


それにしても、軍隊とかってやつは、1人助けるために5人死んだりするからね。
はっきり言って本末転倒な気もするんだけど、それがまた格好よくて仕方ないぜ!
これがわからない人は「ブラックホーク・ダウン」でも観ような。


9.11映画をどちらもまだ観てない人には、これではなく「ユナイテッド93」を薦めておく。