バタフライ・エフェクト

俺の好きな映画の10指には間違いなく入っている映画なのだが、嫁が観たことがないというので、TSUTAYAの100円レンタルで借りて観たのが半月前。


それがきっかけで映画のレビューサイトを観たところ、
エンディングには、劇場公開版と、レンタル版の映像特典として収録されている残念な別エンド二つとは別に、
レンタル版には収録されていない真のディレクターズカット版エンディングがあることが分かり、どうしても観てみたくて通販で買ってしまった。

  • 劇場公開版

ケイリーと出会わなければ彼女を不幸にせずに済むという結論に達し、出会った直後に戻って彼女を拒絶する。
新たな未来で偶然彼女とすれ違い、彼女も何とない既視感を感じるものの、交錯することなく別々の人生を歩んでいくエンド。
あくまで一人の女性にフォーカスを当てた、美しい悲恋ラブストーリー的な結末。

  • 別エンディング

出会った直後に戻って拒絶する点は同じだが、すれ違った後に、話しかけて新たな始まりを感じさせるバージョンや、
後をつけていくストーカーバージョンがある。いずれも問題外に台無しだ。

  • ディレクターズカット版

自分が生まれてこなければ周囲の人間を不幸にせずに済むという結論に達し、母親の胎内に戻ってへその緒で首を絞め、周囲の人の幸せな人生を思い描きながら死んでいく。
至上の自己犠牲というか、人間ドラマ的な結末。


ラブストーリーから一気に昇華した感じで、映画としての深みが増すので、ディレクターズカット版の方が断然オススメだ。
エヴァンがプロローグで書いていたメモの理由や、母親が死産を繰り返した理由にも納得がいくしね。
惜しむらくは、oasisの「stop crying your heart out」が流れなかったことくらいかな。


俺は感情移入せずに第三者視点で「深い映画だな(´ー`)」とかって得意気な顔で観てたのだが、一緒に観ていた嫁が泣き出してしまった。
娘を出産して未だ何ヶ月も経ってないし、ちょうど娘もへその緒が巻きついて帝王切開だったし、命を宿して産んだ身としては、
「生まれてこなければ良かった」などという結論に達する事自体が、不憫でならなかったのだろう。
事前にエンディングの内容は伝えていたものの、迂闊に見せてしまったことを若干後悔した。


まぁ、何にしてもこれはいい映画なので、未観の人は是非観て欲しい。