機動戦士ガンダムUC最終巻〜虹の彼方に(バレ注意)

ドラクエ9に随分気を取られたが、やっとこさ読了。


本作の主人公バナージ・リンクスは、サイコフレームに飲まれたアムロや、
他者の思惟を取り込み過ぎて崩壊したカミーユを救済したような形になった。


作中では他者の思惟や残留思念を取り込んだ精神体になりかけた描写だったが、
結局の所、大量の他者と同化し過ぎて自己を認識し切れなくなったんではないかと。
シュレディンガーを取り込んだアーカードみたいな状態)
そう考えると(無理矢理かな)、カミーユと実はたいして変わらないのだが、
最後に現世に拾い上げて貰えて、人間の身体に戻れてハッピーエンド?に救済されている。


さて、まぁメインの話は置いておいて、俺なりに考えた以下の二点を書いてみる。

作中の説明通り、「シャアに似せられた強化人間」だと解釈した。
作り物とかいいつつ実はシャアじゃねぇのとか、シャアの残留思念が入ったから中身はシャアじゃねえのとか、
色々考えたが、俺の結論は「シャアの思想を刷り込まれたためにシャアと同じ絶望に至ってしまった作り物」だ。
ただ一つ、ミネバがフロンタルに「シャアはお前のような空っぽではなかった」と言っていたが、
個人的にはシャアが生きてたらフロンタルと同じ事をしたと思う。理由は上記から。

漠然と「認識力が増大し、他者と誤解無く分かり合える人」と解釈していたが、これ読んでからはちょっと変わった。
増大した認識力で他者を知るだけなら、多分宇宙に出て未使用だった脳味噌を使えば大概の人はできて、
それを受け入れられるかどうかがニュータイプとオールドタイプの境界線なんじゃないかと。
ファンネル使ったり他者と感応したりするのは、ただの「認識力の増大」で、ニュータイプでも何でもなく、
「受け入れる」ことができるのがニュータイプなんじゃあないのかなと思った。


とても楽しい作品だった。
何となくこの話は悲しく終わらせて欲しくなかったので、バナージが死ななくて?良かった。
来年公開のアニメ版にwktkし続ける事にするぜ。