ヤハーネはナカータ

「悪魔のパス 天使のゴール」を終電の中で完読。
一日100ページ前後読み、一週間足らずで読んでしまった。


中田ヒデ自身も寄稿してるし、フランスW杯の日本代表の若き司令塔、セリエAへのデビュー、
メディアへの頑なな態度・・・等々、あからさまなキーワードは中田英寿である。
村上龍はご丁寧に「夜羽冬次は中田英寿ではありません」と書いているが、
何のためにそんなこと書くのか意味分からないくらい、まるきり中田英寿だ。


ただし、作中では夜羽冬次の人格的な部分が全く出てこない。
ストーリーテラーである矢崎剣介の目から見た「夜羽冬次は〜という人間だ」という
イメージの語りだけで、冬次自身のセリフもほとんどないのだ。


そういう意味では、中田英寿の人格的な面を知っている村上龍から見ると、
「夜羽冬次は中田英寿ではありません」となるのかもしれない。
偶像的な面だけ並べても、そんなものは中田英寿の極一面ですらないのだぞ、と。
何にしても、こちらからはどう違うのか分かりっこないわけだが。


それにしても、この本は言ってしまえば、
「サッカー好きの村上龍が友人中田英寿を描いたマンセー小説」だよ、やっぱり。
まぁ、でも中田英寿は本にしたくなる人物だとは思う。
たまにはいいんでないかな、こういう本があってもw


悪魔のパス 天使のゴール (幻冬舎文庫)

悪魔のパス 天使のゴール (幻冬舎文庫)