ダンサー・イン・ザ・ダーク

ミもフタもなく言うと、盲目のダンサーが隣人に騙されて息子の手術費を奪われるが、
取り返そうと争ううちに隣人を殺してしまい絞首刑になる、という話。まぁ、暗い。


一応ミュージカル風になっており、主人公がその場その場で浸る妄想がダンスシーンに現れる。
絞首台までの107歩の歩みまでもがダンスになり、笑顔でダンスしながら絞首台に向かっていく。
まぁ、この辺は賛否両論だが、個人的にはどうでもいいかな。
あと、カメラワークはドキュメンタリー風にワザとらしくブレるので、嫌な人は嫌かも。


この主人公セルマは隣人と秘密を打ち明けあい「沈黙の約束」をするのだが、
自分が彼に騙されて殺人犯にされても、決してそれを誰にも明かそうとしない。
息子の手術が生き甲斐の彼女が、それを阻もうとした隣人に何の義理立てで約束を守ろうとするのだろうか。
自分の世界でミュージカルという妄想に浸り、周囲との関わりを拒絶して、独善的なまま死んでいったセルマに、
とてもじゃないが感情移入できるものじゃない。そのせいで、同情だの可哀想だのあまり思わなかった。
作中では明言していないが、どうもこの主人公は軽度の知的障害者か、元々精神的に病んでるかどちらかだろう。
ストーリーの悲劇性もあるだろうが、少なくとも見ていて気持ちいいキャラクターではない。
ただし!ビョークの演技は迫真ってやつだと思う。とても非俳優とは思えんね。


まぁ、でもラストの絞首シーンは衝撃的だったけどな。
絞首台で「これは最後の歌じゃない」と歌っていたのが、いきなり床が開いてぶらーんぶらーん。。。
Σ(゚д゚lll)ビクーン


「観る価値」はある映画と思うが、名作マンセー派と嫌悪派に分かれると思われる。
俺は後者。


ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

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