諸君 私はデスマーチが好きだ

諸君 私はデスマーチが好きだ
諸君 私はデスマーチが好きだ
諸君 私はデスマーチが大好きだ
徹夜が好きだ
終電が好きだ
前倒しが好きだ
手戻りが好きだ
煎餅の様に歯ごたえのある仕事が好きだ
自社で 客先で
家で ウィークリーマンションで
この地上で行われる ありとあらゆるデスマーチが大好きだ
耳を揃えて何とか納品したシステムが 罵声と共に突き返されるのが好きだ
空中高く放り上げられた仕様書が 効力射でビリビリになった時など心がおどる
VSS如きを使いこなせないSE気取りが 折角直したソースをロールバックするのが好きだ
徹夜明けで うつらうつら今にも堕ちそうなプログラマー
明け方のレビューで叩きのめした時など胸がすくような気持ちだった
試験仕様書をそろえた試験部隊が 製造部隊の戦列を蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の新人が 既に誰かが直したバグを 何度も何度も修正している様など感動すら覚える
代休申請している疲弊兵達に「なんとか出て来れないかな」とメールする様などはもうたまらない
泣き叫ぶプログラマー達が 無能な旗振りとともに繰り出される無茶な納期に
疲労でばたばたと倒れていくのも最高だ
哀れなプログラマー達が雑多な技術で健気にも直したソースを
ソースチェックツールがソースの構文レベルから木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える
能書きだけの客先の部長に滅茶苦茶にされるのが好きだ
共に戦ってきた仲間の心が蹂躙され 鬱病になり出社してこなくなる様は とてもとても悲しいものだ
仕様書の量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
バグ対応に追いまわされ 浮浪者の様に会社の地べたで寝るのは屈辱の極みだ
諸君 私はデスマーチを 地獄の様なデスマーチを望んでいる
諸君 私に付き従うプログラマー戦友諸君
君達は一体 何を望んでいる?
更なるデスマーチを望むか?
情け容赦のない 糞の様なデスマーチを望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様なデスマーチを望むか?
「デスマ!!デスマ!!デスマ!!」
よろしい ならばデスマーチ
我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握りマウスだ
だがこの暗い闇の底で3ヶ月もの間 堪え続けてきた我々に ただのデスマーチでは もはや足りない!!
デスマーチを!! 一心不乱の大デスマーチを!!
我らはわずかに一個小隊 40人に満たぬ敗残兵にすぎない
だが諸君は 一騎当千 の古強者だ と私は信仰している
ならば我らは 諸君と私で総兵力4万と1人のプログラマー集団となる
我々をデスマの彼方へと追いやり ベッドで眠りこけている連中を叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろし 眼を開けさせ思い出させよう
連中に恐怖の味を思い出させてやる
連中に我々のキーボードの音を思い出させてやる
天と地のはざまには 奴らの仕様では思いもよらないシステムができあがることを思い知らせてやる
40人のプログラマーの戦闘団で
システムを破綻し尽くしてやる
「最後の大隊 高度IT技術者育成道場館長より全プログラマー艦隊へ」
第二次 Struggle 作戦 状況を開始せよ
征くぞ 諸君